トレード手法

窓埋めが効かないブレイクアウェイギャップにご用心

窓埋めが効かないブレイクアウェイギャップとは?

月曜朝の窓埋めトレードは、それなりの勝率が見込める手堅い手法です。

特に何も考えずに、窓埋め方向にポジションを持つだけでそこそこの勝率となるので、FX初心者の方でもお勧めの手法です。

ですが全てのケースで直ぐに窓埋めをするとは限りません。

「窓は短期間で埋まるから、損切りしないでナンピンすれば大丈夫~」なんて考えていませんか?

それで助かるケースも多々ありますが、1ヶ月以上も埋まらない窓もあります。

コツコツドカンで利益を吹き飛ばさない為にも、安易なナンピンで対処できない窓の種類を知っておきましょう。

今回は、窓の種類によって窓埋め確率が異なる点についての解説です。

窓埋め確率が高い通常の窓=コモンギャップ

コモンギャップとは、月曜朝に方向感があまり無いレンジ内に登場し、短時間で窓埋めトレードが成立する窓(ギャップ)です。

commonとは、一般の、普通の、共通の、という意味なので、「ごく普通の窓」と訳せます。

下記画像は6月10日(月)に発生した、ユーロドルのコモンギャップです。
窓埋めトレードが効率的に機能しているのが分かります。
6月10日のユーロドルのコモンギャップ

恐らく多くの人が「窓埋め」でイメージするのは、上記のようなタイプかと思います。
これならFX初心者の人でも楽に勝てますしね。

しかし窓が開くことで、新たなトレンドの始まりとなるケースもあります。

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窓埋めが効かない=ブレイクアウェイギャップ

ブレイクアウェイギャップとは、それまでのレンジ相場から上か下に離れて登場した窓(ギャップ)です。

breakawayとは、分離、離脱、逸脱という意味なので、「分離された窓」と訳せます。

それまで形成していた価格帯から離脱することで、トレンドが発生するきっかけとなる窓として注目され、窓埋めせずにトレンド方向に進んでいくのが特徴です。

下記は画像は5月6日に発生したドル円のブレイクアウェイギャップです。
金曜終値(レンジ下限)から47pipsも下に窓を開けて月曜朝を迎えました。
5月6日のドル円のブレイクアウェイギャップ

ここで何も考えずに「窓埋めトレードだ!」とロングしたらどうなるでしょう?

微益撤退かロスカットになる人も多いと思います。

ロスカットならまだいいですが、「窓は埋まるからナンピンだ!」と安易に考えると大怪我の元になります。

それがまさにコツコツドカンでやられてしまう人の特徴です。

5月6日のブレイクアウェイギャップから、本日6月10日までの推移を4時間足で見てみましょう。
5月6日に発生したブレイクアウェイギャップの現在までの推移

ブレイクアウェイギャップをきっかけとして、大きく下落しているのが分かります。
しかも1ヶ月以上経過しても、窓は埋まっていません。

これまでの傾向として、ブレイクアウェイギャップの範囲はサポレジとして機能するので、すんなり窓を埋めるのは難しいです。

上記の4時間足チャートを見ても、窓の下限がレジスタンスとなり跳ね返されているのが分かります。

「どんな窓でも開いたら絶対に埋める!」と思っていると、1度のブレイクアウェイギャップで大きな損を出す可能性があるので要注意です。

ちなみに、今回のドル円のブレイクアウェイギャップが起きたのには、週末に報道された材料に起因しています。

5日、2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10日から現在の10%から25%に引き上げ、現在関税を課していない3250億ドル相当の中国製品についても「近く」25%の関税を発動する考えを表明。
ロイターより引用

こうした材料によって、ブレイクアウェイギャップをきっかけにトレンドが生まれます。

材料の大きさによって(又は市場の関心度によって)コモンギャップになるのか、ブレイクアウェイギャップになるのかという違いがあります。

窓埋め手法の確率が高いのは間違いありませんが、ブレイクアウェイギャップという簡単には埋まらない窓の存在は最低限知っておきましょう。

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