エリオット波動の基礎知識
今回はテクニカル分析の定番と言っても過言ではない「エリオット波動」について解説します。
エリオット波動ですが、正式には「エリオット波動論」という研究論文から発展されたものです。
最初の著者は名前にもなっているエリオットさんです。エリオットさんは海の波を見て思いついたという噂がありますが、ホントのところは分かりません。
ちなみに現在のエリオット波動論は、フォレストさんとプレハターさんとの共著による「エリオット波動原理」が基礎となっています。
特徴としてはトレンド発生時のサイクルを把握することで現レートの位置を判断し、トレンドの押し目や戻り、終息などの予測に役立てることができます。一方でレンジ相場のときや平常時以外の相場状況(指標発表や要人発言)では機能しないことが多くあります。
波の構成
FXでエリオット波動があらわれやすいのはレンジ相場をブレイク後が殆どです。
エリオット波動は1つのトレンドは5波で構成され、そのあとは1~5波とは逆方向の修正波としてa波、b波、c波を形成し合計8波動が1つのサイクルとしてカウントされます。
また1分足での1~5波が5分足だと1波であったり、1分足での修正波の一部が5分足の2波の一部であることも珍しくありません。
そして下記はドル円5分足チャートの第1波中の1分足チャートの第1~5波です↓
教科書的なエリオット波動でなく見苦しい感がありますが、実際には短い時間足になるとこういったことが多い感じがします。(あくまで過去チャートなので後付けですw)
修正波を形成せずに5波以上の7波や9波もありますが、FXトレードするうえでは5波を意識するだけで十分だと思います。また5波目が来ると思っていても4波で終了するときもありますし、波を打たないでスーッと上昇や下降することもあります。
あとは人によって見方が変わったりします。
所詮、後付け的な感じはしますが、それでも無いよりはマシという考えもあります。このように決して教科書通りにはならいないこともあるので、ある程度の幅をもって分析することが大切です。
エリオット波動の各波の特徴
ここからは各波の特徴を説明します。
あくまで教科書的な内容なので、必ずとは限りません。
傾向として認識してください。
第1波
第1波はFXではレンジ相場内で発生することは珍しいことではありません。
市場参加者の一部によって動機づき、その後に懐疑的に追従する流れによってレンジをブレイクすることで第1波が形成されます。一旦、レンジをブレイクしたことで逃げ足の速い短期トレーダーの利確も入ることから第1波の伸びは、比較的小さくなります。
第2波
第2波は第1波の修正波です。
さきほどのレンジブレイク後の利確によりブレイクラインまでの押しや戻りがあり、第1波に対する押しor戻しは比較的深く、教科書的には第2波は第1波の伸び幅の50%を超える深い押しや戻しになることが多いとされています。しかし、最近のFX相場はブレイクラインまでの押しや戻りは少なく、少しの押しや戻りor持合いからそのままブレイク方向に勢いつく傾向にあります。(とくに1分足や5分足)
第3波
第3波は第1、2波を通しての方向性が明白でありエリオット波動のなかでも一番勢い良く伸びます。
まれに第1波と同等もしくは、短くなることがあります。
一番獲れる確率が高く、FX初心者であっても乗りやすい。
伸び幅はフィボナッチ数に基づき、第1波の伸び幅の1.62倍を目安にするのが一般的。
ただし、それまでの間に重要なレジサポが存在する場合は、その限りではありません。
第4波
第4波は第3波の修正波です。
第3波の伸びが大きかっただけに第4波の修正率は比較的大きいことがあります。
第3波の伸び率の31~50%までの修正となる確率が50%以上となります。
理想的な押しや戻りとしては、フィボナッチ数の38.2%くらいの修正です。
一方、フィボナッチ数の23.6%までの修正であれば第5派の伸びは比較的小さくなると予想されています。
第5波
第5波はエリオット波動としてはトレンドの終息直前の最後の伸びとなります。
FX初心者においては第5波に乗ることはリスキーです。
静観するか、もしくはロット数を通常よりも抑えてのエントリーがお勧めです。
第5波の伸び幅については第1波の伸び幅に関係するといわれます。
さらに第3波が第1波の1.62倍を超える場合、第5波の伸び幅は第1波の伸び幅と同等、もしくは第1波の伸び幅の1.62倍、第1波の伸び幅の2.62倍の目安が予想されますが、FXの場合は第1波の伸び幅と同等と考えた方が安全かと思います。
波の延長
トレンドが強い場合、第5波以上の延長が考えられます。
つまり、第6、7、8・・・と続くこともあります。
しかし、現在のFX相場(特にドル円やユーロドル)ではボラティリティが低く波の延長まで考慮する必要はないかと思います。もちろん、想定することは大切ですが実際のトレードにおいては5波までと捉え、それ以上の波の延長については静観することがベストです。
詳細は下記ページに追記情報として掲載しています↓
エリオット波動のまとめ
エリオット波動はFXや株でのテクニカル分析としては常識であり、多くのトレーダーが意識しています。数年前に比べると綺麗な押しや戻りが少なくなりましたが、今でも1時間以上の時間足だと割と綺麗に機能しています。
それと各波の項目で説明したフィボナッチ数との相性もいいです。不思議とフィボナッチ数で反発したりすることも珍しいことではありません。これらを活用してFX初心者の方は第3波に乗ることを意識することで勝率が飛躍的に上がってくると思います。
エリオット波動はテクニカル分析のなかでも奥が深く、今回ご紹介できなかった内容がまだまだあり、これだけで1冊本が書けるくらいのボリュームです。
続きについては気が向いたときに書いていこうと思います。
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